買わないと絶対に損! 読み聞かせ用 面白絵本2選 4月編
今回は、私が4月に読んだ30冊以上の本から、
この絵本は面白かった!!
読み聞かせにぴったり!
子どもが楽しそうに絵本を読む姿が目に浮かぶ!
といった視点で2つの本をセレクトしました。
ぜひ気になった方は、学級文庫や読み聞かせリストに入れてみてください。
人気になるのは間違いなしです!それでは、いってみましょう!
ことばのかたち
「言葉の形が見えたなら、もっと自分の言葉に責任を、優しさをもてるのかもしれない。」
1冊目は、 おーなり由子さん 作の「ことばのかたち」です。
この絵本を一言で言うならば
「もしも言葉を具現化して形として見ることができたのなら」
という発想のもと、描かれた1冊です。
言葉が具現化されるなら
誰かを傷つける言葉は、釘やナイフのように見えるかもしれない
誰かを笑顔にする言葉は、太陽の日差しやシャボン玉のように見えるかもしれない。
そんな、普段何気なく自分の発している
「言葉」について改めて考えるきっかけを与えてくれる内容でした。
内容的には、低学年よりもむしろ中学年や高学年に響く内容かと思います。
5月のGW明け、休み気分が抜けず、
子ども達がどこか浮足立っていて、落ち着かないなという時には、ピッタリです。
それでは、以下で「ことばのかたち」のポイントを2つに分けて深掘りしていきます。
繊細なタッチ
1つ目は「繊細なタッチ」です。この絵本は表紙から裏表紙まで、
全編水彩画のようなタッチで描かれています。
この水彩画独特の滲みや繊細なタッチが、
優しく温かみのある絵をより柔らかく
トゲのある悲しい絵をよりセンチメンタル
に感じさせてくれます。
これはまさに言葉を形にするという
抽象的な概念を絵にした時のイメージにまさにピッタリです。
図らずとも読み聞かせを聞きながら、
子ども達はこの水彩画の挿し絵によって、より物語の世界観に没入していくことでしょう。
考えさせられるテーマ
2つ目は「考えさせられるテーマ」です。
前述でも少し解説しましたが、この絵本は
「もしも言葉が形をもったなら」というテーマで描かれた1冊です。
物語としての起承転結や特定の登場人物等はおらず、
どちらかというと詩に近い内容になっています。
なので、綴られている言葉が毎ページのように読者の心に波紋を呼ぶのです。
おそらく、これをお読みの方も1日に一言も喋らないという方は居ないでしょう。
言葉という物は、物心ついた頃より当たり前のように発し、享受してきた物です。
しかし、今一度、
自分の発する言葉が相手にどんな風に受け止められるのかを考える良い機会です。
学級経営の有名な実践に「フワフワ言葉・チクチク言葉」というものがありますが、
この絵本は、まさにその内容をもっと高度に進化させ、
より中学年や高学年の子にも響くように作られた1冊なのです。
子ども達に自分の言葉に責任と想いをもって欲しい願う「ことばのかたち」オススメです!
ワニはどうしてワニっていうの?
「子どもの疑問VSお父さんの勢い!」
2冊目は、大塚健太さん作、うよ高山さん絵の「ワニはどうしてワニっていうの?」です。
この絵本は、
「名前の由来という難しい子どもからの問いに父親がその適当さと勢いだけで説明する」
という物語です。
コミカルな絵に、思わず突っ込んでしまいそうになる父親の適当な説明、
読めば必ず子ども達から大きなリアクションが起こること必須の面白絵本です。
それでは、以下で
「ワニはどうしてワニっていうの?」のポイントを2つに分けて深掘りしていきます。
お父さんの勢い強めの強引解説
1つ目はお父さんの強引すぎる解説です。
序盤、子どもから「ワニってどうしてワニって名前なの?」と聞かれた際には、
「ワニは、ワッと脅かして獲物を驚かし、獲物が取れるとニッと笑うからだよ。」
と解説します。
私自身、この解説を聞きながら、現実的にはあり得ない由来だろうけど、
一応ワニらしい筋は通っているなと、妙に納得しました。
しかし、子どもの疑問というのは、留まることを知りません。
「じゃあ、ブタはどうしてブタっていうの?」「じゃあ、タヌキは?ウマは?」
と子どもから矢継ぎ早に質問責めにされます。
そんなピンチもお父さんワニの勢いがあれば大丈夫。
「ブタはブッておならをすると、周りがみんなターッ!って逃げるからだよ。」
「タヌキは、お腹の肉をタヌッってすると、キーッ!って怒るからだよ。」
と、「よくこんなにこじつけが思い付くな」とこちらが感心させられます。
ただ返答できること自体はすごいのですが、
ブタは〜やタヌキは〜などの強引すぎる説明に、
子ども達からは、
「そんな訳ないでしょ!」「いやいやいや、ありえない!ありえない!!」
とツッコミの嵐でした。
授業中に教員がわざと間違えた時もそうですが、
子ども達の間違いを正そうとしてくるパワーには強大なものがあり、
普段は大人しく挙手をしないような子も
ここぞとばかりに手を挙げて訂正しようと必死な印象です。
この絵本ではまさに
間違っているのを正したい!
という子どもの心理を上手く引き出しているからこそ、面白く感じるのでしょう。
秀逸なオチ
2つ目は、秀逸なオチです。
お父さんワニからの強引な解説を聞いている内に、
子どもワニも
「じゃあ、ペンギンは〜だからペンギンなんだね。」
動物の名前の由来のロジックに気付き、お父さんワニと一緒に考えはじめます。
このやりとりが父と子だけの秘密の共有の様で、読んでいてとても微笑ましいです。
しかし、最後に子どもワニから
「じゃあ、お父さんに教わったことを友達にも教えてくるね。」
と衝撃の一言が飛び出します。
これには、お父さんワニも焦ったはずです。
自分が言った勢いだけの適当すぎる解説を他の大人に聞かれたら、
「何を馬鹿なこと言っているんだい。」
と子どもワニは呆れられるでしょう。
そして、その情報の出所が自分だと分かれば、
あそこのワニの父親は、子どもに嘘を教えていると
マイナスなイメージをもたれるかもしれない、
などの想像がよぎったことでしょう。
しかし、そんなお父さんワニの気持ちなど露知らず、
子どもワニはフクロウの元に出かけてしまいます。
ここからは起承転結の結に当たり、わずか1ページで語られています。
いるのですが初見で読んだ時、正直予想外のオチでした。
まさにバナナマンさんや東京03さんの秀逸なコントのオチのように
最後まで無駄なく綺麗にまとめられているオチには、
作者の大塚健太さんに1本取られたなと感じました。
ぜひ、この感覚は実際に手に取ってお確かめください。
そして、そこで感じた面白さを読み聞かせすることで、クラスの子ども達と共有してください。
きっとあなたも読み聞かせを好きになるはずです!
勢い解説に秀逸なオチ、子どもがつい反応したくなる絵本
「ワニはどうして ワニっていうの?」おススメです!
終わりに
買わないと絶対に損! 読み聞かせ用 面白絵本2選 4月編
いかがだったでしょうか。
今回は、高学年まで響く道徳的な1冊と、
面白おかしく、つい笑っちゃうような1冊の両極端な2冊をセレクトしました。
たくさんの読み聞かせを通して
絵本・本のもつ道徳的な面白さも愉快で楽しい面白さも
幅広く子ども達には味わって欲しいと願うばかりです。
私の理想としては、
読み聞かせから1人読みに繋がり、
1人読みをした子がまだ読んでいない子に面白さを広げて、
絵本の面白さが子どもから子どもへ伝播していったら最高だなと感じています。
今回紹介した絵本でクラスに共通した絵本の面白さがブームになってくれたらと思います。
これからも子どもたちと絵本を通して良好な人間関係を築き、
スマートな教員を目指していきましょう!
では、また。次の記事で Thank you!