買わないと絶対に損! 読み聞かせ用 面白絵本2選 1月編

買わないと絶対に損! 読み聞かせ用 面白絵本2選 1月編

 今回は、私が1月に読んだ30冊以上の本から、

この絵本は面白かった!!

読み聞かせにぴったり!

子どもが楽しそうに絵本を読む姿が目に浮かぶ!

といった視点で2つの本をセレクトしました。

ぜひ気になった方は、学級文庫や読み聞かせリストに入れてみてください。

人気になるのは間違いなしです!

それでは、いってみましょう!

 

アベコベさん

「この絵本、逆に面白い!」

 1冊目はフランセスカ・サイモン文、ケレン・ラドロー絵、青山 南 訳のアベコベさんです。

アベコベという言葉を辞書で引くと、

「位置・順序・方向などが通常の状態とは反対であること。また、そのさま。」

とされています。

主人公の家族は正にアベコベな生活をしており、

夜に起きて、外に出かける時にパジャマを着て、テーブルの下にご飯を置いて食べるのです。

第三者が見たらこの奇天烈珍妙な生活を、

主人公の家族はこれこそが正しい価値観だと言わんばかりに堂々と過ごす面白絵本です。

それでは、以下でさらに詳しく面白さのポイントについて深掘りしていきます。

振り切ったアベコベの設定

 前述の通り、物語の中のものは全てアベコベで描かれています。

しかし、この絵本では、そのアベコベ度合いが針を振り切った最大表現で描かれているのです。

これに大人は、良い意味で引いてしまうかもしれません。(あくまでも良い意味でですよ。)

ただ、その分、子どもに与えるインパクトは強いものになるでしょう。

ページを捲る毎に、文を読む毎に、子ども達の中での常識や当たり前としていた価値観は

ボクサーからの強力なアッパーを打たれた時のように揺さぶられることでしょう。

これには、どんなに大人しいクラスでも、

「それはおかしいでしょ!」、「絶対、逆だって!!」と

突っ込みが飛んでくるでしょう。(実際、私のクラスではクラス全員からの総ツッコミでした。)

アベコベさんの奇妙な世界を子ども達と一緒にぜひ味わってください。

以下 アベコベの一例

・夜に起きて、朝に寝る。(時間感覚がアベコベ)

・浴槽の中で体を洗い、洗い場にお湯を張る。(物の配置がアベコベ)

・子どもが母親や父親に勉強を教える。(価値観がアベコベ)

・紙に絵を描くことを叱り、壁に落書きをするのを褒める。(価値感がアベコベ)

ちなみに個人的に1番衝撃だったのは、「浴槽の中で体を洗い、洗い場にお湯を張る。」

もし、自分の家だったらと想像するだけで、本屋さんで絶句しました苦笑。

 

普通の人が異常者扱いされてしまう。

 アベコベさんでは、隣の家の奥さんや娘さん、泥棒といった

登場人物が出てくるのですが、そういった

普通の人の行動や感覚はアベコベさん達からは目を疑いたくなるほどの異常な事

とされてしまいます。

隣の奥さんや泥棒の言っている・行っていることの方が常識的なのですが、

いかんせんアベコベさん達の方が人数が多いのと心から自分達のアベコベの価値観を

常識だと信じ込んでいるので、奥さん達も圧倒されてしまいます。

分かりやすくいうと、

世にも奇妙な物語に出てくる奇妙な風習を行う村に迷い込んだ時のような感覚なのですが、

何となくお分かりいただけるでしょうか?

起承転結の結までアベコベさんたちは自分達の感覚が普通だと信じたまま終わります。

 

シロクマくつや

「新しい靴を履く時のワクワク感」

 2冊目は、おおで ゆかこさん作・絵のシロクマくつやです。

この絵本は、シロクマの親子を主人公とした絵本です。

シロクマの親子はひょんな事から見付けた大きな靴に住みながら、

靴屋を営むという、まさに靴まみれの生活を送っています。

シロクマくつやに訪れる様々な動物達にピッタリのアイディア満載の素敵な靴の数々に

読んでいるこちらもワクワクします。

しかし、幸せな生活も束の間、シロクマの親子が住んでいる大きな靴は、

巨人の子どもの靴だということが判明して、事態は思わぬ展開になります。

子どもの誕生日のためにどうしても靴を返して欲しい巨人と

せっかく靴屋として軌道にのってきたのに、お店兼自宅を取られるは困るシロクマの親子達。

シロクマ達と巨人の出した結論とは?

季節設定が冬なこともあって、寒い季節にぴったりな心温まる物語です。

 それでは、以下でさらに詳しく面白さのポイントについて深掘りしていきます。

靴の中に住む

 まず一つ目は、この絵本の舞台設定です。

先述の通り、シロクマの親子は大きな靴(正確にはロングブーツ)を家にするのですが、

そこで普通なら履くための靴の中に住むという大いなるギャップが生まれます。

みなさんは、机の引き出しの中やお菓子の空き箱など、

身近な物に住めるというのは想像するだけで、ワクワクしてこないでしょうか。

しかも、シロクマたちの住んでいるのは靴。

広さは広くないもの、ブーツというだけあって高さがあります。

そしてその高さを生かして、

1階は靴屋の店内、2〜4階は靴の倉庫、居住スペース、作業場などがあり、

どの階にも物が所狭しと置いてあります。

この狭い部屋に物が所狭しと置いてあることに引き込まれました。

もちろん、汚部屋と呼ばれるような部屋は論外ですが、

ハリーポッターに出てくるお店や海外映画に出てくる部屋は物が多いのにも関わらず、

一定の雰囲気やまとまりがあってお洒落に見えます。

また、周りの雪景色の中で、物がたくさん置いてある部屋からはどこか暖かさを感じることが出来ます。

そんな素敵な家を人形の家さながら、隅々まで見れば自然とその先の展開への期待が膨らむことでしょう。

夢が溢れる靴の種類

 シロクマ達は靴屋なので、当然靴を作り、お店で靴を売っています。

しかし、そこで売られる靴は私達に馴染みのある

スニーカーやブーツ、サンダルのようないわゆる普通の形をしていません。

宝石のついた光煌めくゴージャスな靴、

靴底にバネがついていて大きくジャンプができるアクティブな靴など

来客する動物のニーズに答える靴やシロクマ達のアイディアの詰まった靴ばかりです。

ダイアロジック・リーディング(子ども達に問いかけながら読み進めていく読み聞かせ方法)で

「みんなだったらどの靴を履いてみたい?(欲しい?)」と問い掛ければ、

子ども達同士で自然と会話を始めること間違いなしです。

巨人というロマン

 順調に思われたシロクマの靴屋に突如、トラブルが舞い込みます。

それはシロクマ達が住んでいる大きな靴は実は巨人の男の子が忘れてしまった靴だというのです。

シロクマ達の元には、自分の息子の靴を返して欲しいと巨人のお父さんが訪ねてきます。

この巨人というのが言葉の通り、推定身長50mはあろうかという大きさで

シロクマや周りの木との対比がギャップとなり、巨人の大きさを引き立たっています。

私は、スカイツリー、富士山、ピラミッドに宇宙など、人間の想像を超えるような

大きなものに強くロマンや魅力を感じるタイプなので、この巨人の登場には強烈でした。

お話の展開としても、ステキな靴がたくさん置いてあるというだけでも良いお話だったのが

巨人の登場で最後はどうなるんだろう!?

という絵本への期待値を下げることなく読み進めることができるでしょう。

 

終わりに

買わないと絶対に損! 読み聞かせ用 面白絵本2選 1月編

いかがだったでしょうか。

今回は読み聞かせとしての面白さは勿論のこと、

読み聞かせをした後に子どもたちが思わず1人読みしたくなるような絵本をセレクトしてみました。

私の理想としては、

読み聞かせから1人読みに繋がり、

1人読みをした子がまだ読んでいない子に面白さを広げて、

絵本の面白さが子どもから子どもへ伝播していったら最高だなと感じています。

今回紹介した絵本でクラスに共通した絵本の面白さがブームになってくれたらと思います。

これからも子どもたちと絵本を通して良好な人間関係を築き、

スマートな教員を目指していきましょう!

では、また。次の記事で  Thank you!

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