【読み聞かせ】見つけたら即買い!? 面白い絵本ベスト3 6月編
今回は、6月に私が読んだ30冊以上の本から、この絵本は面白かった!!読み聞かせにぴったり!子どもが楽しそうに絵本を読む姿が目に浮かぶ!といった視点で3つの本をセレクトしました。
1位から3位までのランキング形式で紹介しますので、ぜひ気になった方は、学級文庫や読み聞かせリストに入れてみてください。
人気になるのこと間違いなしです!それでは、いってみましょう!
第3位 うごきません:7点
第3位は大塚健太さん作・柴田ケイコさん絵の「うごきません。」です。
これは動かないことで有名なハシビロコウが主人公となった、一風珍しい絵本です。
主人公のハシビロコウの周りではヘビやワニやナマケモノなどの様々な動物たちがいろいろな行動を起こします。
いろいろな行動というもこれまた絵本らしく、ゾウの鼻がバナナになっていたり、ペンギンが空を飛んだり、ナマケモノがチーターを追い抜かしたりと常人?の感覚からすれば、つっこんだり、驚いたり、笑ったり、何かしらのアクションを起こしそうなものですが、そこは流石のハシビロコウ、草原の中に佇む銅像かのように動きません。
タイトルにもなっている「うごきません。」の言葉はパワーワードのようにこの絵本では毎ページ登場します。
この展開には子どもたちも「ペンギンが空を飛んでるなんてあり得ないよ!」「えぇ~!!なんで動かないの!?」「ハシビロコウ、めっちゃ凄いじゃん!」と大興奮の様子でした。
そして、そんな動かない、動かないというフリもきちんと終盤に納得の形で回収されます。
さらに大オチの展開の後にもおまけのオチ展開もあり、動かないという個性を生かして最後の最後まで楽しむことができます。
「うごきません。」ハシビロコウというマイナーな動物にスポットライトを当てて、ハシビロコウという動物の特性を生かしたまま、絵本としての面白さを盛り込んだおすすめの一冊です。
うごきません
第2位 あきらがあけてあげるから:8点
第2位はヨシタケシンスケさん作の「あきらがあけてあげるから」です。
ヨシタケシンスケさんの「もうぬげない」や「なつみはなんにでもなれる」、「ちょっぴりおしっこもれたろう」に代表されるミニサイズの絵本です。
今回のテーマは、あきらという主人公がお菓子の袋が開けられないことをきっかけに、何でも開けたくなってしまうというお話しです。
「物を開ける」というテーマだけで起承転結を考えて絵本が描ける、そしてそれが読んでいて面白いというのは冷静になって考えてみると本当に凄いことだと思います。
序盤は何を開けられるか、中盤では物を開けることで出来ることについて、想像力豊かに描かれています。
しかし、この序盤、中盤の展開は、あくまで主人公のあきらのもし、ぼくが開けられるようになればという妄想なんですね。
終盤は、今の自分ではまだまだ物を開けられないことを自覚して父親に相談しに行きます。
その時の父親が物を開けることついて語っていて、物を開けるという行為でここまでのことを考えられるなんて親子って良いなと思わせてくれるようなステキな展開になっています。
そしてこの絵本の最後のオチまでクスッと笑えるような展開で締められており、最後の最後まで楽しませてくれる絵本でした。
「あきらがあけてあげるから」、開けるという1テーマだけなのに想像力や展開で壮大の広がりを見せ、笑いはもちろん、親子愛まで感じさせてくれるステキな絵本でした。
あきらがあけてあげるから
第1位 ぼくのがっこう:9点
栄えある今月の第1位は鈴木のりたけさん作の「ぼくのがっこう」です。
これは以前「絶対に買うべき絵本シリーズ」でも紹介した鈴木のりたけさんのぼくの○○シリーズの最新作です。
ぼくの○○シリーズというだけでも買いだなと感じていたのに、テーマが「がっこう」ということで即買い決定の一冊でした。
このぼくの○○シリーズがどんな展開か知らない方のために改めて解説すると、普通の学校に飽きた主人公の男の子がこんな学校があったら面白いんじゃないかなと妄想するお話です。
これまた第2位のあきらがあけてあげるからと同じように、鈴木のりたけさんの想像力がこれでもかというほどに詰め込まれています。
しかも、学校の入り口が滝になっている学校や下駄箱に鳥が住んでいる学校など、一見思いついたとしてもナシにするようなアイディアも面白く昇華させているところなんかは感服の一言です。
そして今回のぼくのがっこうがこれまでのぼくの○○シリーズと違うのは、今までは面白いトイレやお風呂という1冊につき1テーマだったのに対して、今回は学校ということで、面白い学校、面白い机、面白い椅子、面白い先生など実にバラエティー豊かでユニークな妄想が繰り広げられています。
いろいろなアイディアを見ながら、子どもたちとどの机・椅子が良い、こんな先生が居たら学校が楽しそうと話すのは盛り上がること間違いなしです。
後半の居なくなった校長先生を探す絵探しの展開でもページの隅隅まで細かい展開てんこもりのページが続くので大画面での読み聞かせを強く強く推奨します。
「ぼくのがっこう」、子どもにとって最高レベルで身近なテーマであり、教室で読むにこれほど適した絵本はないといえる1冊でした。
ぼくのがっこう
絶対に買うべき絵本シリーズ 第3弾 「ぼくの○○シリーズ」 今回は絶対に買うべきシリーズの第3弾として、鈴木のりたけ先生の書かれている「ぼくの〇〇シリーズ」の魅力を解説していこうと思います。 まず作者の鈴木のりたけ先生ですが、ぼく[…]
終わりに
【読み聞かせ】見つけたら即買い!? 面白い絵本ベスト3 6月編 いかがだったでしょうか。
今回はヨシタケシンスケさんや鈴木のりたけさんなど絵本業界でも特にメジャーなお二人がワン・ツーフィニッシュとなった結果ですので、あまり物珍しさは無かったかもしれません。
しかし、それは裏を返せば、有名な絵本作家の方が描く絵本はいつでもどれでも面白いというお二人のブランド力を示す形になったとも言い換えることができるでしょう。
もうひとつ余談で今回紹介した絵本はどれも最後の最後のページまで面白さが抜かりなく仕掛けられていた絵本でした。
こういった絵本に出会うと起承転結だけですでに買おうと思っている購買意欲の最後のだめ押しをされる感覚があります。
イメージで言うと通販番組で、すでに欲しいと思っていたのにもかかわらず最後に怒濤のおまけラッシュや今ならなんと○○円引きなどの情報が出て、即買いを決定するときの感覚に似ているかもしれません。
総じて面白い絵本というのは無駄な展開が無く、表紙から裏表紙までの全ページに面白さが凝縮されていると再認識した3冊でした。
7月もそんなステキな絵本に出会い、みなさんに紹介することができるのが楽しみです。
これからも子どもたちと絵本を通して良好な人間関係を築き、
スマートな教員を目指していきましょう!
では、また。次の記事で Thank you