【絵本・読み聞かせ】買わないと絶対に損! 面白絵本 10・11月編
今回は、私が10月〜11月に読んだ60冊以上の本から、
この絵本は面白かった!
読み聞かせにぴったり!
子どもが楽しそうに絵本を読む姿が目に浮かぶ!
といった視点で3つの本をセレクトしました。
1位から3位までのランキング形式で紹介しますので、ぜひ気になった方は、学級文庫や読み聞かせリストに入れてみてください。
人気になるのは間違いなしです!それでは、いってみましょう!
第3位 ほしじいたけ、ほしばあたけ おにたいじはいちだいじ
「しいたけによる鬼退治と鬼援助は紙一重」
第3位は、石川基子さん作の「ほしじいたけ ほしばあたけ おにたいじはいちだいじ」です。
ほしじいたけ ほしばあたけというシリーズ物の絵本なのですが、恥ずかしながら今まで全く知りませんでした。
ただ、逆を言えば、このシリーズの絵本だから面白いだろうという先入観が無くても純粋に面白いと思えた絵本でした。
シリーズも連続したストーリーになっているわけではないので、
私と同じようにほしじいたけ ほしばあたけシリーズを初めて読む人・子でも十二分に楽しめると思います。
肝心の内容はというと、楽しくかくれんぼをしていたほしじいたけやその仲間達のところへ
かくれんぼのオニなら俺達に任せろとオニタケやシロオニタケを始めとするオニと名の付くオニきのこ達が現れます。
強引な見付け方で次々に見つかってしまったキノコ達はオニきのこ達を怖がり一目散に逃げてしまうのでした。
そんな意地悪をするオニきのこ達をほしじいたけ達が正義となり、成敗する話…………かと思いきや
実はこのオニきのこ達は他のキノコ達と一緒に遊びたかっただけだと言うのです。
顔が怖くて、口が少し悪いばかりに周り誤解されて寂しい思いをするオニきのこ達。
そんなオニきのこ達を気の毒に思ったほしじいたけ達は、オニきのこ達のイメージアップ作戦に一肌脱ぐことにします。
ただ、このイメージアップ作戦も何とも笑える形で、他のきのこ達には誤解されて上手くいきません。
満を持しての最終作戦では、ほしいじいたけときくらげどんの2人が一肌脱ぐならぬ、一水浸かると
しわだらけの肌?がツヤツヤ、ピチピチになり、若返るのです。
これには読み聞かせ時に「えぇ~~!!そんなのないでしょ!!」と大いに突っ込みが飛びました。
そんなこんなで悪者に扮したキクラゲどんをオニきのこ達が成敗する作戦を決行します。
しかし、この最終作戦も思ったようにはいかず二転三転するのですが、そこは絵本。
最後はみんな仲良くハッピーエンドを迎える というお話です。
私のおすすめポイントとしては
・悪者を成敗する単純なストーリーではないこと
・途中のオニきのこ達のイメージアップ作戦が誤解が面白いところ
・ほしじいたけ達が水に浸かることで若返る設定のユニークさ
・形や色が様々で個性すら感じる登場人物きのこ達(ネットで検索するとこんな形のきのこが実在するんだと驚かされます。)
などに惹かれて購入を決意しました。
ちなみに私のクラスでは、悪役顔で行動も言動も乱暴そうなオニきのこ達の中で異彩を放つ
のほほんとしたおまんじゅうのような見た目のオニフスベが意外な1番人気でした。
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第2位 UMA水族館
「既知+既知=未知の面白さ」
第2位は、山田玲司さん作の「UMA水族館」です。
いろいろな動物を掛け合わせた生き物が暮らす水族館のお話です。
現実の世界にもウシのようなカエルでウシガエル、ネズミのようなイルカでネズミイルカという動物が存在します。
しかし、これらは全て見た目が似ているだけであって、本当にウシとカエルが掛け合わさっている訳ではありません。
ところが、この絵本では、ウシガエルで言うならば頭がウシで体がカエルという
本当の意味で動物同士が掛け合わさった生き物が登場するのだから見たことのある子どもなんて1人も居ません。
しかも、UMA(未確認生命体)という名前通り、動物+動物だけじゃなくて動物と物、動物と植物までなんでもありの状態なのです。
案内してくれるのはブタ+蝶(バタフライ)で「ブタフライ」、口癖は「本当に知ってるの?」です。
そして博物館のような動物園のような水族館のような空間にいるのは、
イカ+クマのイカクマ
イモリ+マンボウのイモリマンボウ
ミノムシ+カンガルーのミノガルー
などの珍妙ながらも可愛らしい動物達です。
そんな珍妙な動物達の暮らしを少しだけ垣間覗く1冊です。
私のおすすめポイントとしては
・絵柄非常にかわいい、ゆるキャラのような癒やされ感がある。
・巻末も含めて100以上の組み合わせUMAのアイディアが単純に凄い
・その100体それぞれに口癖や好きな食べ物がある細かな設定
・絵柄だけを見て、UMAの名前を予想するクイズ的要素
などに魅力を感じて購入を決意しました。
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第1位 ひめさま!ぞうはすごく大きいでござる
「方言って面白い!でも難しい……!!」
栄えある第1位は丸山誠司さん作の「ひめさま!ぞうはすごく大きいでござる」です。
ストーリーは、象を見たことも聞いたこともない姫様の元に象がやってくるのだが、象を待ちきれない姫様の元に次々と忍者が現れ、象の様子を伝えます。
しかし、全国津々浦々から来る忍者がことごとく方言を使うため、象の様子が上手く姫様に伝わらず面白愉快な話になっていくというものです。
私のおすすめポイントを詳しく解説していきます。
方言の面白さ
1つ目は方言の面白さです。
このお話しは方言があるからこそ、物事を伝えるのが難しく、その方言を誤解してしまうことが最大の面白さに繋がっています。
各地方から来る伝者は、各地方の名産を模した忍者として現れます。
そしてそれぞれの忍者が伝えたいことは、象という生き物はすごく大きいです。
の一言なのですが、“すごく大きい”を方言で言うばかりに象を待つ姫様にも爺にも聞いている子ども達にも上手く伝わらないのです。
ここで出てきた方言の一例です。
沖縄・ゴーヤ忍者「でーじ まぎい」
宮崎・マンゴー忍者「てっげ ふってー」
高知・カツオ忍者「こじゃんと ふとい」
愛知・天むす忍者「でぇら でけぁ」
爺様から姫様への誤伝達
2つ目の面白さは爺から姫様への誤伝達です。
1つ目のなんと言っているかよく知らない方言を爺が破茶滅茶な解釈をして姫様に伝えることで、面白さが掛け算のように大きくなっていきます。
ここで出てきた方言の爺の誤解釈の一例です。
「でーじ まぎい」 →でーんと丸い
「てっげ ふってー」 →手と毛が太い
「こじゃんと ふとい」 →角がすごく太い
「でぇら でけぁ」 →背中の甲羅がてっかてか
姫様の芸術的画力
3つ目は姫様の芸術的画力です。
方言忍者の言葉を爺が誤解釈して姫様に伝えると、姫様は畳4畳はあろうかという大きな紙に象の形を描き始めるのです。
鼻が長い、もちろん耳が大きいなど正しい象の情報が伝わっていれば良かったのですが、先述の通り象の様子は方言と爺の誤解釈により破茶滅茶に伝わっているので、自然と姫様の絵も本来の象とはかけ離れた残念な形になるのです。
大きな紙にこれまた大きな筆で書かれる子ども達全員がよく知る象とはかけ離れた謎の生き物。
角が書かれた時には「象にツノなんて生えてないよ!」
顔に水玉模様が書かれた時には「そんな模様の象なんているわけない!!」
体に甲羅が書かれた時には「甲羅があるのはカメでしょ!こんなの象じゃない!!!」
と子ども達も大笑い+総ツッコミでした。
以上をまとめると
方言✖️爺の誤解釈✖️姫様の画力
という図式になり、それぞれ単体でも面白い要素が組み合わさることで、
掛け算のような相乗効果を生み、爆発的な面白さに仕上がっています。
面白い絵本が欲しい!読み聞かせで子どもを笑わせたい! 絵本を探しているという人は即買いの1冊です!!
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おまけ
様々な地方の名産の食べ物を模した忍者が登場するのですが、
福井だけは恐竜の化石が見付かった特色を模した恐竜忍者となっています。
子ども達も恐竜忍者だけ食べ物じゃなーい!とツッコミを入れていました。
これがあえてなのか、たまたまなのか是非知りたいものでした。
終わりに
【絵本・読み聞かせ】買わないと絶対に損! 面白絵本 10、11月編
いかがだったでしょうか。
今回は読み聞かせとしての面白さは勿論のこと、
読み聞かせをした後に子どもたちが思わず1人読みしたくなるような絵本をセレクトしてみました。
私の理想としては、読み聞かせから1人読みに繋がり、1人読みをした子が面白さをまだ読んでいない子に広げて、
絵本の面白さが子どもから子どもへ伝播していったら最高だなと感じています。
今回紹介した絵本でクラスに共通した絵本の面白さがブームになってくれたらと思います。
これからも子どもたちと絵本を通して良好な人間関係を築き、
スマートな教員を目指していきましょう!
では、また。次の記事で Thank you!