読み聞かせたら必ず盛り上がる絵本3選【低〜中学年】
朝の会やちょっとした授業のスキマ時間、小学校の教員の皆さんは子どもたちとどう過ごしていますか?
ちょっとレクリエーション、小テスト、プリントなどなど、時間の使い方は様々です。
でも、たまには違ったことしたいなあ、短時間でクラスを盛り上げたいな
そう考えていませんか?
本記事では、そんな悩みを解決すべく、子どもから必ずリアクションの声が上がる絵本を3つ紹介します。
絵本!?
絵本の読み聞かせなんて、幼稚園かせいぜい一年生までだろ
と思っている人もいるかも知れません。
はっきりいいます。
本当に盛り上がります!
現役小学校教員の僕が朝の会で実際に使っているので、嘘ではありません。
朝に読み聞かせをすると、子どもたちも一日シャキッとしてくれます。
今回は小学校低学年から中学年向けで、1人でじっくり読むよりも、クラスなどの大人数で反応を共有したり、声をあげたりすることで、一つ一つの絵本の面白さが2倍にも3倍にもなる絵本達です。
クラスで何か読み聞かせをしたい、でも、いきなりメッセージ性や好き嫌いの分かれるストーリー物にチャレンジするのはちょっとな…という方でも大丈夫。
気軽にサクッと読めて、面白いと思う子どもの母数が最大値のものを選びました。
気になった方は是非読んでみてください。
1 いっさいはん
内容
生後1歳半の赤ちゃんの行動や癖、特長などを食事やお出かけ、お風呂などの様々シーンごとにイラストや言葉でまとめた絵本です。
レビュー
赤ちゃんの時の行動という、日本人全員のあるある本と言っても過言ではないくらい読者を選ばない絵本です。
絵本で紹介されているいくつもの1歳半のあるある行動は、必ず自分や自分の下の兄弟達で経験、もしくは見たことあるものばかり。
読む前は、読み聞かせを行う低学年の子が下に兄弟がいる子はいいとしても、自分が1歳~2歳の頃の行動や言動を覚えているのか不安な面はありました。
しかし、安心してください。
そんな不安も読み始めた最初の1ページでものの見事にかき消されます。
絵本に紹介されている1歳半特有の行動を一つ一つ読み上げるたびに、子どもから
「分かるー!!」
「あぁーそれ俺もやってたわー!」
と予想以上の反応が返ってきました。
もちろん中には
「えぇーさすがにそんなことしないよ。」
などの反応もありましたが、その反応もまた良いスパイスとなり、子ども達同士の会話のきっかけになります。
そんなこんなで良い意味で子どもからのリアクションがありすぎるので、読み終わる時間は大人の1人読みの2倍~3倍の時間はかかります。
たくさん笑って、反応して、読み聞かせが終わった後には、子ども達1人1人が自分の小さい頃を懐かしんで微笑んでいるような、そんな優しい笑顔で終われる絵本です。
ちなみにオススメの読み方としては、読み手(先生)の子どもの頃のエピソードを織り交ぜることです。
子どもは普段は知り得ない教師のパーソナルな部分に興味津々になります。
ぜひ、1人読みをして、自分の子どもの頃を懐かしんでから、その気持ちをこの絵本を通じて子ども達と共有してみてください!
2 これはのみのぴこ
内容
タイトルになっている蚤(のみ)の「ぴこ」が主人公。
会話や物語などの起承転結は一切なく
「これはのみのぴこ。」
「これはのみのぴこのすんでいるねこのごえもん。」
「これはのみのぴこのすんでいるねこのごえもんのしっぽふんづけたあきらくん。」
とページをめくるたびに言葉が数珠繋ぎ式に増えていく国語的な要素も含んだ絵本です。
レビュー
内容にも書いたとおり、物語や会話がないため、子どもの好き嫌いにあまり左右されず、万人受けしやすく、読み聞かせしやすい絵本です。
子ども達は最初のページの
「これはのみのぴこです。」
と読まれても、ほとんどの子は蚤という生き物すら知っている子が少ないので、ポカーンとしていると思います。
しかし、数ページ読み進めて、この絵本の仕組みを理解してくると、子どもたちはどんどん前のめりになって聞いていました!
数珠繋ぎ式に言葉が増えるため、必然的に最初の方のページの言葉は毎回読まれるため、子どもも耳で覚えて、自然と口に出し始めます。
ページをめくると、読み手が音読するのとほぼ同じタイミングで子どもたちも音読し始めるので、読み手と子どもたちとのバトルスタートです!
新しいページの文章を子ども達よりも速く、正確に読むことで、子どもながらに先生って読むの上手いなー!と尊敬の眼差しを向けてくるはずです。
ちなみに、時間が有れば次のページの追加される内容を子どもたちに予想させてみても面白いですが、
ただ、予想が当たることは100%ないのでそこは読み手の皆さんにお任せします!
3 ぜったいにあけちゃだめ
内容
絵本の最初から最後までページをめくってほしくない青いモンスターから
「ページをめくらないで!」
というお願いを読者側が無視して、めくり進めていくお話。
ストーリー性は、ほぼ無いです。
ただし、残りの1割で最後のページには話のオチ的なものはあります。
初見で読んだ時には、妙に納得しました。
オチが気になる人、ぜひ買ってみてください!
レビュー
まず始めに言っておきます。
この絵本をクラスで読んだら、確実にクラスから声が上がります。
それも、呟くとかお話しするといったレベルでなく、
大人気アーティストのコール&レスポンスのような、
ワールドカップの時の日本代表戦の応援のような、
怒号のような声が上がることを覚悟してください。
この絵本を読むにあたって、1つだけ、たった1つだけ読むときのポイントがあります。
「絵本を閉じる」です。
正確には「絵本を閉じようとする」です。
どういうことか、説明します。
内容としては、上記の通りページをめくってほしくない(読み進めて欲しくない)モンスターのセリフを読みながらも、絵本を読むという仕様上、必然的にページをめくって読み進めてていかなければならない矛盾がこの絵本最大の面白さです。
ではこの絵本最大の面白さを引き出すにはどうしたらいいか。
そう、読み進めないように、絵本を閉じちゃうのです。
えっ?絵本の読み聞かせしてるのに閉じるってどういうこと?
と思った方が大多数でしょう。でも、それで良いのです。
何度も言っていますが、この絵本の面白さは、ページをめくって欲しくないと願うモンスターの要望を、ページをめくらないと次の展開が分からないという好奇心によって無視して、読み進める、読み進めてしまう所にあります。
そこで、読み手が
「こんなにページをめくらないでってお願いされているんだから、読むのはここまでにして、やめてあげよっか。」
と言って、絵本を閉じようとしてみせます。
すると続きが知りたい子どもたちからは
「ダメー!!!」
「戻ってぇぇー‼︎」
「もっと読んでぇー‼︎」
との声が上がります。これはもう100%です。
子どもが複数人居てこの状況になったら、必ず誰かが上記のような声を上げるはずです。
そしてそれが呼び水となって、他の子達も同様の声を上げるようになります。
はっきり言って怒号です。
ページを閉じようとしてる間中、クラス中から良い意味のブーイングがおきます!
しかも、この絵本は
「ページめくらないで」と言われる
↓
絵本を閉じようとする
↓
子ども達が「ダメー!」と雄叫びを上げる
↓
仕方ないフリをして読み進める
という、鉄板の流れがほぼ全ページで使えます。
あまりにやり過ぎると、さすがに子どもにも飽きがくるでしょうし、読み終わるまでの時間が果てしないことになるので、おすすめとしては、
① 最初の数ページは普通に読む(子どもたちが物語の流れを理解します)
② 4、5ページ目で絵本を閉じようとする。(子どもたちにとっての第二の盛り上がり場)
③ その後は2ページ毎ぐらいに絵本を閉じようとする
が良いと思います。
ちなみにこの絵本の帯についていたキャッチフレーズは
「この本を途中で読むのをやめた人0%」
まさにこの絵本の面白さを凝縮した言葉だったと痛感します。
まとめ
いかがだったでしょうか。
いつもICT機器を紹介している僕ですが、このようなアナログもたまにはいいですよね。
侮るなかれ、絵本!
ぜひ、絵本を通して、子どもたちと素敵な時間、絆が深まる時間を過ごしてください。
そして、スマートな教員を目指していきましょう!
では、また。次の記事で Thank you