ただの読み聞かせでは勿体ない!本当に効果的な読み聞かせ法 効果編
今回は、ただの読み聞かせでは勿体ない!本当に効果的な読み聞かせ法と題して、
子ども達の力を伸ばす効果的な読み聞かせの手法について紹介していきます。
まず始めに結論ですが、
「ダイアロジック・リーディングという読み聞かせ法をすることで、
子どもの読解力、思考力、伝える力などを伸ばすことができる」です。
この結論を元に
ダイアロジック・リーディングとは一体何なのか、
メリットの詳細、実際のやり方、おすすめの書籍などを
深掘りしていきたいと思います。
それでは、いってみましょう!
ダイアロジック・リーディングとは?
日本では、昔から読み聞かせと言えば
語り手が話す物語を子ども達は静かに最後まで聞くという読み聞かせが行われてきました。
一方で今回紹介するダイアロジック・リーディングとは
読み聞かせしながら、子どもに質問や考えるきっかけを与え、
子ども達との会話を楽しみながら読み進めていく読み聞かせ法です。
この2つの読み聞かせには優劣などはなく、
それぞれに良い面があるので、役割や場面によって使い分けるの吉です。
映画鑑賞に例えれば、
ダイアロジック・リーディングは「作品を分析的に観る行為」のようなものです。
ですから、語り手の話を静かに聞くような「難しいことを考えずに純粋に映画を楽しむ行為」
があってもいいのです。
しかし、私は総合的に見て学校現場で読み聞かせを行うのであれば、
出来ることならダイアロジック・リーディングが良いのではないかと考えています。
その最大の根拠は、ダイアロジック・リーディングを行うことで伸びる子どもの力にあります。
次項でダイアロジック・リーディングがもたらすメリットについて考えていきましょう。
ダイアロジック・リーディングがもたらす5つのメリット
学校でダイアロジック・リーディングを行うことで伸びる力は、
読解力、道徳心、想像力、人の話を深く聞く力、考えをまとめて話す力の5つです。
順番に見ていきましょう。
読解力
絵本の読み聞かせで伸びる力として、最も想像しやすいのが読解力です。
ただし、この読解力という力は、ただ読書をしているだけでは向上しません。
ベネッセ教育教育総合研究所によると読解力の高さと読書量は比例しないとされています。
しかし、読解力と読書量が比例しないからこそ、
読解力が向上するような読書が求められると私は考えています。
ダイアロジック・リーディングは、
子ども達に質問を投げかけ、対話をしながら読み進める読み聞かせ法です。
1人読みの時には、読み飛ばしたり、流し読みしたりしてしまっていた部分も
教師や周りの子ども達と意見を出し合いながら深掘りしていきます。
その過程で絵本のもつ表面的な面白さから
物語を深く読み解いたからこそ得られる面白さに気付けるようになっていくでしょう。
道徳心
2つ目は道徳心です。
子ども向けに書かれている絵本は、一部のホラー系を除けば
基本的に楽しい、面白い、ハッピーエンドや心温まる物語が圧倒的多数を占めています。
ダイアロジック・リーディングをしながら子ども達に考えるきっかけを与えることは、
そのまま道徳教育や情操教育をすることになり、
子ども達の感性の成長の手助けをすることができるでしょう。
ただし、読み聞かせはあくまでも読み聞かせなので、
大人の考えの押し付けや子どもの考えを抑圧することは絶対にしないように気をつけましょう。
想像力
3つ目は想像力です。
ダイアロジック・リーディングでは、
「この後どうなると思う?」
「どうして、この子は泣いているんだろうね。」
「みんなだったらこんな時どうする?」
といった質問を投げかけます。
普段1人で読んでいる時には考えもしなかったようなことについて
教師の質問を機に子ども達の頭の中では様々な思考がぐるぐると飛び交うことでしょう。
そして質問に答えるために物語の内容や自己の経験などから
自分なりの考えを捻出されるための想像力が磨かれていくことでしょう。
また、他の子の意見を聞くことで
「なるほど、確かにそういう考え方もあるのか。」
と納得すれば、想像力向上の一助になるはずです。
人の話を深く聞く力
4つ目の人の話を深く聞く力とは、今ままでのポイントを総合した上でのメリットです。
質問を投げかけられ、読解力、道徳心、想像力を働かせるためには、
教師や友達の話を深く聞く必要があります。
そうでなければ、質問に対する正対した意見を発表することができないからです。
ダイアロジック・リーディングで読み聞かせを続けていくと、
教師が話していない時間には、子ども達が思い思いに自分の意見を述べていて、
一見すると騒がしいとも取れる状況になります。
しかし、教師が話の続きを読み始めると、
ピタっとおしゃべりを止めて静かに集中することができるようになってくるのです。
個人的にこの感覚を感じ取ることができたら
それがあなたが読み聞かせにハマる瞬間だと思っています。
考えをまとめて話す力
5つ目は考えをまとめて話す力です。
質問によって子ども達の脳は様々な力を使い、
あぁでもない、こうでもないと自分の考えを確立していくことでしょう。
そして自分の中での最終的な考えを言葉として発表するのです。
自分の考えは、回数を重ねるごとに、
前のページに〇〇と書いてあったから、
先週家族と旅行先で⬜︎⬜︎を見たから、
など考えの妥当性は上がっていきます。
そして、この質問に対して考えをまとめて話す力は何かに似ていると思いませんか?
そうです、普段の授業で行っている発問に対する子どもの行動と非常に酷似しているのです。
つまり、ダイアロジック・リーディングで自分の考えをまとめて話す力を身につければ、
普段の授業での、
「この時、ごんはどう思ったと思いますか?」
「どうしておじいさんは喜んだのでしょう?」
といった発問に対しても自分の意見を発表する力が養われるのです。
終わりに
ただの読み聞かせでは勿体ない!本当に効果的な読み聞かせ法 効果編
いかがだったでしょうか。
私個人の感覚ですが、学校の先生は
読書することを推奨する
けれど、読み聞かせなどはあまり行わない
という先生が多い印象です。
朝読書も図書の時間も子ども達が思い思いの本を読み、
先生は丸付けやノートの添削などを行う方が多いのではないでしょうか。
ですが、そういった先生のことを否定するつもりは全くありません。
教師という仕事はしなくてはならない作業・仕事が膨大なので、
子ども達が教師の力なしに時間を過ごす読書の時間は、
教師にとってゴールデンタイムといえるでしょう。
仕事を終らして早く退勤するのを目指すのであれば、
このゴールデンタイムを逃す隙はありません。
しかし、だからこそ、
そんなゴールデンタイムに読み聞かせを行おうとしている先生を応援したいのです。
そして、せっかく読み聞かせを行うなら、
子ども達にとってもプラスの効果が高い読み聞かせ法を知って欲しく、
今回の記事を作成するに至りました。
私自身読み聞かせが大好きです。
そして、私のクラスの子は読み聞かせを心待ちにしています。
そんな私と同じように読み聞かせが好きな方、
これから読み聞かせをしてみようかなと思っている方に
何か1つでも得られるものがあれば幸いです。
次回の記事では、ダイアロジック・リーディングの実践編として
ダイアロジック・リーディングの具体的な行い方について解説していきます。
ただの読み聞かせでは勿体ない!
本当に効果的な読み聞かせ法 実践編
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これからも子どもたちと絵本を通して良好な人間関係を築き、
スマートな教員を目指していきましょう!
では、また。次の記事で Thank you!