【本】「反応しない練習」で、あなたが学校で悩むことはゼロになる。

【本】「反応しない練習」で、あなたが学校で悩むことはゼロになる。

今回は久しぶりに本を紹介していこうと思います。

といっても今回も教育本ではありません。

自己啓発系の本である「反応しない練習」という一冊を紹介します。

この本をすでにお読みになった方は復習や新たな考え方の発見に

まだ未読の方にはこの記事を通して、考え方をアップデートさせて

少しでも悩まない・ストレスフリーな教員生活を送っていただけたらと思います。

なお、この1記事だけでは本の内容を掻い摘まんで紹介しますので、興味を持たれた方は手にとって実際に手にとって

最初から読むことを推奨します。考え方、価値観の選択肢を広げるという意味では絶対に損はさせません。

本の概要

 著者の草薙龍瞬さんという方は、東大法学部を卒業しミャンマー国立仏教大学やタイの僧院を経て、現在は実用的な仏教の本質を、仕事や人間関係、生き方全般に渡って伝える活動をしている方です。

そんな草薙龍瞬さんがブッタの考え方を現代の生活に活かせば悩むことはなくなると説いた一冊

 

全ての悩みの根源は?

 まず始めに悩みの正体から考えていきたいと思います。

学校生活において教員のみなさんが悩む・苦しむ・悲しむ・苛立つ・焦る・妬むといったマイナスな感情になる出来事にはどんなことがあるでしょうか。

例えばで考えると

・クラスの子どもたちが言うことを聞かない、荒れている。

・思い通りの授業を展開することができない。

・学年の先生や管理職と馬が合わない、意見の対立がおきる。

・保護者から理不尽なクレームを受ける。

・学校の制度として残業や増え続ける業務など働き方改革が一向に進まない。

こんなことがあげられるでしょうか

これらは一見して、自分自身にはどうしようもない不可避な出来事に感じられるでしょうが実はそうではないでのです。

まず大前提として大事なことは、今ここに出した例は事実ではあったとしても、

それ自体がマイナスな感情を引き起こす原因ではないということをご理解ください。

もちろん理不尽なことや無理難題が全く関係ないかと聞かれればそうではありませんが

あなたがマイナスな感情になる最たるものは、目の前の事実に対するあなたの心の反応なのです。

例えば、クラスの子どもたちの成績が芳しくない、これは老若男女だれに対しても等しく降りかかる事実です。

多くの方が、この事実に対して

なんであんなに教えたのにウチのクラスの子どもたちは学力が身に付いていないんだ:怒り

私の授業が良くないからだろうか、もっと教材研究しないとダメなのかな:焦り

隣のクラスは同じような授業をしているのにウチより平均点が○点も高い、羨ましい:嫉み

このようなマイナスな感情を抱いてしまうのではないでしょうか。

しかし、これこそが心の反応であり、あなたが悩み苦しんでいるのは

事実ではなく事実がもたらすあなたの心の反応なのです。

だからこそ本書のタイトルは「反応しない練習」であり、事実を取り除こうとするのではなく

事実に対する反応しない心の持ち方を手に入れようと諭してくれているのです。

Point:悩みとは事実ではなく事実に対する自分の心の反応からくる。

 

心の反応を紐解こう

 前述で悩みは心の反応からくるということをお話しました。ここでは更に詳しくあなたを悩ませる心の反応について解説していきます。

あなたを悩ませる心の反応は求める心判断する心の2つです。

求める心とは欲求のことであり、誰しもが必ずといっていいほど持ち合わせているものかと思います。

しかし、求める心が強いばかりにそれが叶わなかったときに人々は悩むことになるのです。

学校のテストを例に挙げるならば、

私としてはとても分かりやすい授業をしたし、テスト対策のプリントだって何回も行ったし

今回のテストは平均点で95点は超えるだろう、満点の子も○○人はいるはずだ。

というのが正に求める心です。

こういった考えをもっていると、自分の求める心が達成されれば(一時は)良いものの

平均点が93点であったり、満点の子が思ったより少なかったり、50点を下回るような子が出たりした時に

どうしてウチのクラスはこんなに勉強ができないんだと落ち込んだり、

こんなに私が頑張っているのにそれに応えられないウチのクラスは能力が低いなと怒りや憎しみに変わったりすることで

悩みが生まれるのです。

ちなみに達成されれば(一時は)良いものの と書いたのは、こうした欲求は満たされる度に段々とエスカレートして、

同じレベルの結果では満足できなくなり、点で見たときには良くても、線で見たときにはあまり良いとは言えないからです。

 

2つ目は判断する心です。

判断とは、ある事実に対して、好き嫌い、良い悪い、などを自分の物差しで決めることを指します。

判断する心には①分かった気になれる ②自分は正しいと思える気持ちよさ の2つがあります。

世間一般の例としては

Twitterなどでネットニュースを引用しながら自分の意見を述べている方を頻繁に見かけます。

不倫のニュースが出ると芸能人に対しての中傷が始まる、政治家の不正に対して批難する、国の政治の不審点に対して嘆く

もちろんそれ自体を否定する訳ではありませんが、

その行為が自分の心に対してどんな結果をもたらしているか

冷静になって俯瞰してみたことはあるでしょうか。

スティーブン・コヴィー博士か書いた世界的大大大ベストセラー「7つの習慣」の1つ目の習慣は「主体的に生きる」です。

そこでは自分の影響の輪と関心の輪の2つを意識して、自分自身の行動や思考で変えることのできる影響の輪を大切にすることの重要性が説かれています。

そうして考えれば芸能人の不倫や政治家の不正などは、あなたの行動では変えようのない出来事であり、それらに対して

好き嫌い、良い悪いを判断すること自体が無駄という考え方もできます。

※政治家の不正などに関しては、世論として声を上げることや政治に関心をもつ、選挙に行くことなどを否定しているものではありません。

話を学校現場に戻すと

学校ではさまざまな無理難題や疑問に思うこと、根本からおかしいのではないかと感じられることが多数あります。

こんなに毎年のように業務量が増えていくのに定時で帰れるわけなんてない!不可能だ!

この子は何度言ってもルールを守ってくれないし、指導が届かない!この子はおかしい!

こういったことに対して判断するということは、自分の心を余計に追い詰めることになり、

トータルで考えたときに損であることを自覚しなくてはなりません。

 

ただし、何十年も修業したような禅僧でない限り、目の前の出来事に対して

求めることも判断することもゼロにすることは不可能であるとも言えます。

そこで大事になってくることは、そういった感情が沸いた時に、その感情のまま行動・言動をしてしまわないように

頭の中でブレーキをかける必要があるのです。

具体的には頭の中で

「あっ いま 私は求めすぎているな。」、「あ、 私これ判断しちゃってるな。」

と呟くように思考すると自分の感情を一歩引いたところから俯瞰することができます。

そうして自分の感情を客観視することができたら、その感情が自分にもたらす影響について考えてみてください。

それが自分にとってマイナスであった時には、求める心も判断する心もスパッと捨ててしまうことが最良です。

目の前の事実をあなたの力で変えることは容易ではありませんが、

それに対する自分の考え方を変えることはあなたの力で行うことができるのです。

 

Point:自分の心にある求める心と判断する心を受け止めて、距離を取ろう。

 

終わりに

 【本】「反応しない練習」で、あなたが学校で悩むことはゼロになる、どうでしたでしょうか。長くなってきたので続きはまた次回にしますが、私個人としては、反応しない練習の考え方を全て取り入れるべきとは思いません。

しかし、料理のレパートリーとして、卵をゆで卵にも目玉焼きにも卵焼きにもスクランブルエッグにもすることができるよう

自分の知識を増やすかのように、考え方の軸として反応しない練習の考え方を身に付けるということは有用であると考えています。

これから何か困難、問題、危機に直面した時に自分の感情という暴れ馬に振り回されるのではなく、

その暴れ馬の手綱を引いて自分の感情を上手くコントロールする騎手のようになればどんなにスムーズにことが運ぶでしょうか。

ぜひ、考え方のエッセンスとして身につけてストレスフリーな教員生活を謳歌してください。

それでは今後もスマートな教員を目指していきましょう!

では、また。次の記事で  Thank you

最新情報をチェックしよう!