【絵本・読み聞かせ・読書感想文】2022夏休みの課題図書 3選
今回は、「【絵本・読み聞かせ・読書感想文】2022夏休みの課題図書 3選」 と題して
2022年の夏休み課題図書の1・2年生用の絵本を紹介しています。
夏休み中・夏休み明けに子どもに読む絵本を探している方や
夏休みの宿題として読書感想文が出されている方に
ピッタリの内容になっています。
今回の記事が皆様の絵本選びの参考になれば幸いです。
それでは、いってみましょう!
すうがくでせかいをみるの
「あなたの身近にある数学の扉」
1冊目は、ミゲル・タンゴさん作、福本友美子さん訳の「すうがくでせかいをみるの」です。
この絵本は、音楽に昆虫採集、スポーツに絵を描くこと
様々なことに挑戦してきた結果、自分にピッタリなのは数学だと分かる少女が主人公の1冊です。
この数学が大好きな子の視点で見ると
・街の中の建物が四角形や三角形の集まりで出来ていること
・池に石を投げ入れると、中心を同じとした円の模様が広がること
・料理を作る際に同じ数ずつ分けること
そんな日常の些細な一場面に数学を感じ取り、ワクワク楽しむことが出来るのです。
この子にとって数学とは
テストで良い点をとるために
大学に入るために、
宿題をしないと怒られるから
といった受動的なものとは全く違います。
数学を学ぶ、感じるということは、
スポーツが好きな子が試合をするように
音楽が好きな子がピアノを奏でるように
楽しくてしかたがないことなのでしょう。
教員という立場の私としては、1人でも多くの子が
この子と同じように学ぶことの面白さを感じていって欲しいと願うばかりです。
余談ですが
この絵本の途中に主人公の少女と8~9人程度の子どもが
図工室のような場所で画用紙に絵を描いている場面があります。
おそらく、題材は動物をテーマに好きな動物を描きなさい、ということで
子ども達は思い思いの動物を描いています。
しかし、数学が大好きな少女だけは、画用紙に
方程式や複雑な図形や線分図、グラフや表など描いているのです。
この場面には、教員という立場として非常に複雑な気持ちを抱きました。
それは、もし、自分がこの子の先生だったら、と考えたときに
数学が大好きなこの少年の才能を伸ばしてあげたい。
図工の時間なのだから、周りの子と同じように動物を描いて欲しい。
という2つの思いがせめぎ合ったからです。
ギフテッドや神童と呼ばれる子ども達が集団生活の中で
周りの子と同じ行動が取れない、分かりきった問題を解く
というような葛藤や問題があると聞きますが
そんな問題に一教員として何ができるのか考え続けていきたいと思います。
好きなこと越しの世界にワクワク!「すうがくでせかいをみるの」オススメです!
おすしやさんにいらっしゃい!
「寿司三昧で学習三昧!」
2冊目は、おかだ だいすけさん文、遠藤 宏さん写真の「おすしやさんにいらっしゃい!」です。
この絵本は、実際のお寿司屋さんに子ども達が社会科見学のように訪れ、
寿司職人の方から直々に魚の切り方や各部位の名前や特徴などを教わる絵本です。
低学年に向けに描かれた絵本ですが、魚を扱うプロの方の解説は
大人が読んでいても思わず「へぇ~、そうだったんだ。」と感心してしまうものばかりです。
しかも、この絵本は、絵ではなくオールカラーの写真で構成されている1冊ですので
魚の細部やお寿司の様子がよりリアルに伝わってきます。
魚という生き物がさばかれ、切ったり味付けされたりしながら
最後には酢飯と合わさり、一貫のお寿司として完成するまでの様子を
まるで実際にお寿司屋さんで目の前で解説されながら
握ってもらってるかのようにリアルに体験することができます。
魚がお寿司になる過程の中には
あなごをさばく時に動かないように目打ちをする様子や
イかを締めるためにアイスピックのような物を突き刺す様子など
見方によっては残酷とも取れる場面もありますが、
それこそ食べるということは命を頂くという食育や道徳につながると感じます。
魚や生き物がどのような課程を経てお寿司となり、自分の前に提供されるのか
こういったことを小さい頃に学ぶということは、
口で食べ物は大切にしましょう
ということの何倍も教育的効果が高いことでしょう。
魚→お寿司までが丸わかり「おすしやさんにいらっしゃい!」オススメです!
ばあばにえがおをとどけてあげる
「小さな私にできる大きなこと」
3冊目は、コーリアン・アーヴェリスさん文、イザベル・フォラスさん文、
まつかわ まゆみさん訳の「ばあばにえがおをとどけてあげる」です。
この絵本は、おばあちゃんが最近暗いことが気になった少女がおばあちゃんが笑顔になるように
街の中から「わぁーお!」(ステキなこと)を探して届けてあげようとする物語です。
少女は、犬の無邪気なようすや子どもと戯れる親子など、様々なステキなことに出会いますが
そのどれもが、少女のバッグに詰めることが出来ない物ばかりでした。
おばあちゃんにステキなことを届けられなくてがっかりする少女に
おばあちゃんが孫のあなた自身がとびきりのステキなことだよ、と語りかけ
最後はめでたくハッピーエンドの展開で締めくくられます。
この絵本を読書感想文という視点で捉えたときに良い点は
・お話を読んで、自分だったら~と考えやすい
ということでしょう。
低学年の子どもたちにとって、祖母や祖父というのは、最も身近で関わる人の1人でしょう。
そして、自分に優しくしてくれる可愛がってくれる祖母や祖父が好きという子も多いでしょう。
この絵本を読んで、自分の祖母や祖父が元気がなかったら、どんなことがしてあげられるだろうか
と考えるのは、子どもとしては考える動機としては強いものがあり、
手紙を書く、肩を叩いてあげるなど、比較的アイディアも出しやすいのではないかと思います。
読書感想文を書くとしたら
①自分の祖父母の紹介
②この絵本で良いと思ったところ
③自分だったら祖父母になにができるか
④これからも私は~
なんて書いたら、あっというまに完成しそうです。
祖父母を通して感じる家族愛「ばあばにえがおをとどけてあげる」オススメです!
終わりに
【絵本・読み聞かせ・読書感想文】2022夏休みの課題図書 3選 いかがだったでしょうか。
夏休みという、子ども達が1年で1番ゆっくり出来る時間です。
そんな時間に少しでも読書や読み聞かせの時間を取るのはどうでしょうか。
今回紹介した絵本を総括すると個人的には、
学習の面白さに気付かせたいなら すうがくでせかいをみるの
読み聞かせで盛り上がりたいなら おすしやさんにいらっしゃい!
読書感想文が書きやすそうなのは ばあばにえがおをとどけてあげる
といった印象でした。
今回の記事を読んで興味をもった方は、ぜひ手にと
子どもと絵本によるステキな時間を楽しんでください
これからも子どもたちと絵本を通して良好な人間関係を築き、
スマートな教員を目指していきましょう!
では、また。次の記事で Thank you!